木へのこだわり

木へのこだわり

 

みなさま、はじめまして。
篠屋の木材仕入れを任されています岩本と申します。1

篠屋木材工業は、もともとは真壁町で「篠屋材木店」として材木商を生業としてまいりました。まもなく創業100年になります。

私の仕事は材木市場の競りに行き、目利きをしてよい木材を仕入れることです。安かろう、悪かろうの材木は仕入れない、ということを念頭においていつも仕入れをしています。木材仕入れに携わるようになって、約25年になります。

まだ私が篠屋に入ったばかりのころは、先代の社長について原木市場に行っても、どれがよいのか全くわかりませんでした。しかし、色々と見て回っているうちに目も肥えてきて、今の社長に代替わりしてからは、木材仕入れの一切を任されるようになりました。社長は一言も口を出さず、すべて私の好きなようにやらせてくれます。それだけ信頼して任されているというのは、私にとってはとても恵まれた環境です。

 

複数の材木市場から厳選仕入れ

 

IMG_1277よく買付に行く材木市場は3軒ほどありますが、それぞれの市場ごとに特徴があります。

1か所だけで欲しいものがすべて揃えばよいですが、これはあそこの市場、あれはここの市場、とそれぞれの市場の特徴によって、仕入れる材料も異なってきます。

その都度、欲しい木材に合った市場で買い付けています。材木は1本1本競りをしますが、たいていは30本くらいまとめて買います。しかし現場では、木材が1本だけ足りなくなるといったことも起こります。

そんなときは、馴染みの材木市場にお願いして1本だけわけてもらうこともあります。高い、安いではなく、「次も使うから」とお願いして特別に仕入れさせてもらっているのです。

 

 

全国各地からよりよい木材を

IMG_1288材木、と一口に言っても、北海道から九州まで日本全国さまざまな産地の木があります。例えば、東北・青森の木は、寒さに耐えて育っているので強度がある。九州・宮崎の木は暖かいので年輪の目は粗いけど、台風にさらされているので粘り強い。

地元・茨城だったら八溝産が良いと言われますが、八溝の木でも、どこの山のどの斜面に生えている木なのか、その山の場所によって木の性質が全く違ってしまいます。

また例えば、奈良県の吉野など、山をちゃんと育てているところの木は、やはりよい木材を産出しています。住宅によく使われる桧も九州から茨城まで様々な産地のものがありますが、私は桧なら三重・松坂、四国・土佐、奈良・吉野など西の方の産地がお勧めです。

流通を考えると地場産材がよいのでしょうが、本当にいいものは県産材にこだわらず、日本全国からよいものを厳選して使いたいと考えています。

「これなら間違いない!」と思える木材を


IMG_1282木材を吟味していて「これなら間違いない、どこにでも使える!」という材木は、使う予定のお客さまがいなくても買ってしまいます。「これを使ったらお客さまが喜ぶだろうなぁ!」と思う木材を仕入れています。

材木は立方単価で取引するので、実物を見なくても、製材所の名前と値段だけで判断して買うこともできますが、ちゃんと自分の目で見て買うのと、そうでないのとでは全然違います。

材木の目利きでいちばん大事なのは、木を好きになること。好きになると何としてもよい木を手に入れたいと思うようになる。よその人が4万の値をつけた木でも、本当によいものなら5万出しても欲しいと思います。

「岩本さんに頼めば、垂木(タルキ)1本もいいもの選んでくれる」と言われるように
見えないところにもいいものを使いたいと思っています。

わずか3~4cm幅の垂木(タルキ)ですが、住宅を建てる時にはたくさん使う材料です。材木の値段は立方単価なので、同じ種類の木でも産地や品質によって半値くらい違うこともあります。ホームセンターでも同じ種類の木は手に入りますが、品質が全然違うのです。そういうところは、一切妥協したくありません。

市場でも時々「岩本さんにはこの木材は勧められないな」などと言われることもあります。もちろん、私としても、そのような木材を仕入れることはあり得ないのですが、市場の方も私のことを目利きとして認めてくれているのだなと感じます。

また市場で木材を買い叩くようなこともしたくありません。
いい木材には敬意を払い、適正な価格で仕入れたい。
そのぶん「いいもの売ってくれよ」という気持ちはあります。

 

「安かろう悪かろう」の木材は使いません

IMG_1296柱や梁など壁の中に隠れてしまう部分は、お客さまには見えないのでわからない部分です。会社によっては坪単価を下げるために木材の品質を下げているところもあります。

もちろん、そうやって合理的にコストを下げる方法もあるとは思います。ただ私としては、安かろう悪かろうという木材は使いたくないのです。

いい木と一口に言っても、どんなところに、どんな木を使うか。たとえば、和室の天井の四隅を囲む廻縁は、意外と目につくところなので、よい木を使いたい。その他にも、和室の柱や梁、玄関の上がり框や下駄箱など一枚板を使うところも気を遣います。

一枚板でも、
“赤身”と呼ばれる一番中心の部分、
“白身”と呼ばれる外側の白い部分、
“皮”と呼ばれる樹皮に近い部分など、
どこがどのくらいの割合で、どう見えるか。

「この木材はあそこのお宅のこの部分に使おう」と、仕入の段階から、
ある程度目星をつけておかないと、よい木は選べません。

一般に節目が少ない木目がまっすぐな木材がよいとされています。
そのような木材は、50本に1本あるかないかだそうです。
節目が多くても少なくても、丈夫さには変わりありませんが、
見た目のきれいさで、節目の少ないものがよいとされています。

また太陽光だけでなく、室内の蛍光灯でも木は日焼けします。
自然のものなので、年数が経つごとに変化して味が出ます。
なおかつ、狂ってはいけないので、やはり自ずと木材を選ぶ目は厳しくなってしまいます。

「篠屋の家は木にこだわっています」
と言うからには、やはり自分のところで木を仕入れていかなければと思います。

 

「どこに、何の木を使うか」はとても重要です


27-3「木=和室」というイメージを持つ方も多いと思いますが、
篠屋でも伝統的な数寄屋造りの家を数多く手がけた実績があります。

やはり和室はいいですね。
木がひきしまるというか、とても美しいんです。

安くするのはいくらでもできますが、やはりなるべくならいい木を使いたい。和室で使用する木材は、私が直接市場で厳選してきたものを使います。数は減ってきたとはいえ、この先も和室はなくならないと思います。


最終的には
「和室があってよかったな」
「木の香りっていいなぁ」
とお客さまに思ってもらえて、残っていけばいいなと思います。

お客さまに家づくりで何が大事かアンケートをとると、

だいたい
1位は断熱、
2位は耐震です。

しかし、断熱とひとくちに言っても、床材に何の木を使うかで断熱効果がかなり違ってくるのです。床材によっては、床暖房がいらないくらい暖かいこともあります。杉などは断熱効果が高く、床暖房がいらないくらい暖かいです。

余談ですが、床暖房用の無垢床材もありますが、やはり木は熱が加わると0.1~0.3とコンマ数ミリの世界ですが、反ったりたわんだりして動いてしまうので、私としてはおすすめしません。それであれば、はじめから断熱効果の高い床材を使用して床暖房は入れない方がよいです。

木にはひとつひとつ性格があります。
たとえば木柄ひとつとっても、木の性格、見た目など、好き嫌いがあると思います。

基本的には「安いものにはいいモノはない」と思っています。安いものなら、どこにでもいくらでもありますが、「篠屋さんだったらいいものがあるだろう」というお客さまの信頼を裏切りたくありません。そうやってお客さまとの関係を築いていきたいと考えています。

これから家を建てる方へのメッセージ


IMG_1289これから家づくりを考えている方へのアドバイスとしては、とにかく色んな家を見てくださいということです。本物の木の家で、木に触れて、香りを嗅いで、そうやって肌で感じていただきたいです。木の家を建てたいと思っているお客様には、まず木を好きになって欲しいなと思います。

見学会で「木の香りがしますね」と言われますが、本当にそうなんです。でもこれはホームページやカタログであれこれ見ているだけではわからない。家の中に木をたくさん使っていれば、それだけで森林浴気分になれます。

壁のクロスは汚れたら張り替えられるけど、木は隠せない、ごまかせないんです。「篠屋で立てた家」として一生残るので、変な木は選べません。

篠屋で建替えをする時も、前の家で使っていた木をよく使います。大黒柱など、前の大工さんの仕事を残したいと思っています。大黒柱はかならずいい木を使っているので、見える所に使うようにしています。

100年前の木でも、削り直して新たな命を吹き込んで、また永く使います。
50年後に建替えることになっても、また再生して使い続けていくことができるのです。

初代のおじいちゃんが建てた家の柱を、代々大切に次の世代へと繋いでいく。
お客様にも見えないところであっても、次の世代に繋げていきましょうとお話しています。

テレビのリフォーム番組でも、古いものを生かして新しい住まいに再生しています。
人間でも何でもそうですが、持ち味を生かしてあげること。
木も適当に使うんじゃなくて、大事に使う。
家には使えない小さな端材も、また生かされる機会があるかもしれないと大事にとっておきます。
そういうところにも小さな“きくばり”を忘れずにいたい。

建築は、「建てて、築く」と書きます。築いて、“気づく”のが、私たちの仕事です。
「愛して礼を失わず」―20~30年と長年連れ添っても、礼儀は崩さない。
家とのつき合い方も、このようにありたいと思います。

このような私たちの家づくりへの想いをご理解いただき、
篠屋の木の家を大切に住み継いでいってもらえたら、
材木商としてこんな嬉しいことはありません。


資料請求 イベント情報 お問合わせ
無題ドキュメント